ANAを利用している皆さん、旅行先のホテルはどうやって選んでいますか?
マリオットやヒルトンは提携クレジットカードもあり、ホテルの会員特典を目にする機会が多いですよね。一方で、IHGと聞いても「どんなホテルがあるんだろう?」という方もいるのではないでしょうか。
そのIHGとANAが、2026年4月に新たな提携を発表しました。具体的な条件も公表され、2027年1月から順次サービスが始まる予定です。
ANAの会員資格を、ホテルの上級会員資格や宿泊を楽しむための特典につなげられる今回の提携。僕たちANAユーザーには、どんなメリットがあるのでしょうか?
まずはIHGがどんなホテルグループなのかを見てから、新しい特典を整理してみます。
IHGとは?国内にも60軒以上あるホテルグループ
IHGホテルズ&リゾーツは、インターコンチネンタルやクラウンプラザ、ホリデイ・インなどを展開するホテルグループです。
「IHG」という名前にはなじみがなくても、「ANAクラウンプラザ」や「ANAインターコンチネンタル」なら聞いたことがある、という方も多いと思います。
ANAの新提携案内では、日本国内に60軒以上のホテルを展開していると紹介されています。
僕も調べてみて、思っていた以上に国内で使える場所が多いと感じました。
高級ホテルから、気軽に泊まれるホテルまで
IHGには、特別な旅行で泊まりたい高級ホテルから、観光や出張で利用しやすいホテルまでそろっています。
国内で展開する主なブランドを、公式の分類に沿ってまとめると次のとおりです。
| 分類 | 主なブランド | 特徴 |
|---|---|---|
| ラグジュアリー&ライフスタイル | シックスセンシズ、インターコンチネンタル、キンプトン、ホテルインディゴ、ヴィニェット コレクション | 高級感や、その土地ならではのデザイン・滞在体験を楽しめる |
| プレミアム | クラウンプラザ、voco | 観光にも出張にも使いやすい、上質なホテル |
| エッセンシャルズ | ホリデイ・イン、ホリデイ・イン エクスプレス、ガーナー | 必要な設備や快適さを備え、比較的気軽に利用できる |
この分類は厳密な価格順ではなく、ホテルの特徴を表したものです。ホリデイ・インには、リゾートタイプのホテルもあります。
「IHGの特典を使うために、毎回高級ホテルに泊まらないといけない」というわけではなく、旅の目的や予算に合わせて選べるのがよいところですね。
観光を楽しみながら、ゆっくり過ごせるホテルも
個人的に魅力を感じているのは、大都市の中心部だけでなく、山や海の観光地にもホテルがあることです。
例えば、次のようなホテルがあります。
| ホテル | 立地・旅行での使い道 |
|---|---|
| ANAホリデイ・インリゾート信濃大町くろよん | 北アルプスの麓にあり、黒部ダムや立山黒部アルペンルートの長野県側の観光拠点に |
| ANAホリデイ・イン リゾート宮崎 | 宮崎・青島の海辺にあり、青島観光とリゾートでの滞在を楽しむ旅行に |
| ホテルインディゴ箱根強羅 | 箱根・強羅の自然の中で、周辺観光と温泉を楽しむ旅行に |
公式の国内ホテル一覧から、開業予定の表示を除いた65軒を日本地図にまとめました。都市部だけでなく、北海道から沖縄まで広がっていることが分かります。

同じ市町村・エリアの施設はまとめて表示しています。出典:IHG公式「日本のホテル」(2026年11月6日確認)。
僕も以前、黒部ダムへ行くならどこに泊まろうかと調べたときに、くろよんを知って「いい場所にあるな」と感じたことがあります。
観光の拠点にできて、ホテルに戻ったら山の景色や海を眺めながらゆっくり過ごせる。こうした選択肢があるのは、IHGの魅力だと思います。
普段はマリオットやヒルトンが中心でも、IHGを知っておくことで、旅先に合わせたホテル選びの幅が広がりそうです。
ANAとの提携で、どんな特典が使えるようになる?
今回の提携の柱は、大きく3つです。
| 新しい特典 | 内容 |
|---|---|
| ステイタスマッチ | ANAの会員資格に応じた宿泊実績を受け取り、IHGの上級会員資格やマイルストーン特典につなげられる |
| マイルとポイントの相互交換 | 従来のIHGポイント→ANAマイルに加え、ANAマイル→IHGポイントの交換が始まる予定 |
| ダブルディップ | 日本国外在住者が、海外発の対象ANA国際線を指定の直接販売チャネルで購入・搭乗すると、ANAマイルとIHGポイントが貯まる |
日本に住む僕たちにとって、特に注目したいのはステイタスマッチです。
なお、相互交換は2027年2月開始予定で、交換レートは正式なサービス開始時に案内されます。マイルを交換してお得かどうかは、その条件を見て判断したいところです。
ANAの会員資格に応じて、宿泊実績がもらえる
ステイタスマッチでは、ANAマイレージクラブとIHG One Rewardsのアカウントを連携し、専用の手続きをすると、ANAの会員資格に応じた宿泊実績が加算されます。
正式名称は「ボーナスエリートナイトクレジット」。IHGの上級会員資格を目指すための泊数を、先に付けてもらえる仕組みです。
| ANAの会員資格 | 付与される宿泊実績 | IHGでの到達先の目安 |
|---|---|---|
| ダイヤモンド+More | 68泊分 | プラチナエリート。登録完了後の対象宿泊2泊でダイヤモンドへ |
| ダイヤモンド | 38泊分 | ゴールドエリート。登録完了後の対象宿泊2泊でプラチナへ |
| プラチナ | 20泊分 | ゴールドエリート |
| ブロンズ | 10泊分 | シルバーエリート |
| 一般会員 | 5泊分 | 上級会員資格を目指す際の実績になる |
その年にIHGの対象宿泊実績がない場合の目安です。
例えばANAダイヤモンドなら、38泊分の実績に、登録完了後の対象宿泊2泊を加えて合計40泊。通常は年間40泊が必要なIHGプラチナエリートに到達します。38泊分は「無料で38泊できる券」ではなく、会員資格の判定などに使う実績です。
対象の宿泊は、IHG公式サイト・公式アプリ・LINEミニアプリからの直接予約が基本。ポイントを使った無料宿泊も対象になります。宿泊実績は2027年1月1日以降のチェックアウト分からカウントされます。
IHGの上級会員になると何がうれしい?
IHGプラチナエリートでは、空室状況に応じた客室アップグレードや、宿泊時の基本ポイントに対する60%のボーナスポイントなどを利用できます。
ただし、プラチナエリートになっただけで、朝食やクラブラウンジが無料になるわけではありません。
そこで注目したいのが、次の「マイルストーン特典」です。
マイルストーン特典とは?泊数に応じて選べるごほうび
マイルストーン特典は、一定の宿泊実績に到達するごとに、好きな特典を選べる仕組みです。
ホテルの会員ランクとは別に、「何泊分の実績を積んだか」に対して、ごほうびをもらうイメージです。今回の提携でもらう宿泊実績も、この特典の対象になります。
20泊から始まり、100泊まで10泊ごとに選べます。まずは、関係する方が多そうな20・30・40泊の内容を見てみましょう。
| 到達した宿泊実績 | 選べる数 | 特典の選択肢 |
|---|---|---|
| 20泊 | 1つ | 5,000ポイント/飲食特典2枚/確約可能なスイートアップグレード1回 |
| 30泊 | 1つ | 5,000ポイント/飲食特典2枚 |
| 40泊 | 2つ | 10,000ポイント/飲食特典5枚/確約可能なスイートアップグレード1回/年間ラウンジ会員資格 |
表の中の特典を全部もらえるのではなく、20泊・30泊ではそれぞれ1つ、40泊では2つを選びます。選択期限は獲得から90日以内です。
それぞれ、どのように使う特典なのか見ていきましょう。
①ボーナスポイント|次のホテル宿泊に使える
IHG One Rewardsポイントは、主にホテルの無料宿泊に使えるポイントです。
公式サイトやアプリで支払い方法にポイントを選んで予約します。ポイントと現金を組み合わせる「ポイント&キャッシュ」も利用できます。
20泊・30泊なら5,000ポイント、40泊では1つの選択につき10,000ポイント。1泊に必要なポイント数はホテルや日程によりますが、貯めて次の旅行の宿泊に充てられます。
次に紹介する飲食特典とは違い、こちらは主に宿泊費を抑えるためのポイントです。
②飲食特典|日本円なら1枚2,000円分
飲食特典は、宿泊中の対象となる飲食代に使えるデジタルクーポンです。日本円で発行される場合は、1枚2,000円分になります。
| 選ぶタイミング | もらえる枚数 | 日本円での合計額 |
|---|---|---|
| 20泊・30泊 | それぞれ2枚 | それぞれ4,000円分 |
| 40泊 | 1つの選択につき5枚 | 10,000円分 |
使うときは、対象レストランやバーなどの支払いを部屋付けにして、チェックアウト前にIHGアプリなどから特典を適用します。宿泊を伴わない、レストランだけの利用には使えません。
1回の滞在で複数枚を使えるので、例えば6,000円の対象飲食代に、2,000円分を2枚使って4,000円分を差し引く、といった使い方ができます。
有効期限は選択から12か月。1枚を分割して使ったり、お釣りを受け取ったりすることはできません。
ホテルで夕食やお酒を楽しむなら、金額としてイメージしやすい特典ですね。
③スイートアップグレード|予約した部屋を、事前に上位の部屋へ
「確約可能なスイートアップグレード」は、予約した部屋を、条件が合えばスイートなどの上位の部屋に変更できる特典です。
宿泊券ではないので、宿泊そのものの予約は別に必要です。基本的な流れは次のとおりです。
- IHG公式サイトなどで、特典の対象となる料金の部屋を予約する
- チェックインの14日前から24時間前までに、IHGカスタマーケアへ連絡する
- 対象の部屋に空きがあれば、アップグレードを確定してもらう
1回の特典で、最大5泊までの1滞在に利用できます。連泊する旅行でも使えるのがよいですね。
有効期限は選択から12か月です。対象のポイント無料宿泊にも使えますが、前払い料金など対象外の予約もあるため、予約する料金の確認が必要です。
当日のアップグレードを待つのではなく、事前に部屋を確定できるのが特徴です。ホテルの部屋でもゆっくり過ごしたい方には、気になる特典だと思います。
④年間ラウンジ会員資格|対象ホテルのクラブラウンジを利用できる
年間ラウンジ会員資格は、対象の宿泊時に、ホテルのクラブラウンジを利用できる特典です。
1回使って終わる券ではなく、有効期間中に対象ホテルへ泊まるたびに利用できます。基本的に、会員本人と同伴者1名が対象です。
クラブラウンジは、ホテルの中にある専用のくつろぎスペース。ホテルや時間帯によって、朝食、ティータイム、夕方の軽食やアルコールなどを楽しめます。
ただし、IHGのすべてのホテルにあるわけではありません。国内で探すなら、インターコンチネンタルや一部のクラウンプラザが主な候補になります。
例えば、次のホテルにはクラブラウンジがあります。
| ブランド | ラウンジがあるホテルの例 |
|---|---|
| インターコンチネンタル | ANAインターコンチネンタルホテル東京、ANAインターコンチネンタル別府リゾート&スパ |
| クラウンプラザ | ANAクラウンプラザホテル広島 |
ロビーの飲食店としての「ラウンジ」とは異なり、宿泊者向けの専用クラブラウンジが対象です。
現行ルールでは、有効期間は条件を達成した年の残りと、翌年末までです。例えば2027年1月に条件を達成して選択できれば、2028年12月末まで、約2年間利用できます。
対象のポイント宿泊でも使えるため、ポイントで泊まりながらラウンジを楽しむこともできます。
ラウンジのないホテルが中心なら、飲食特典やポイントを選ぶ方が使いやすいかもしれません。自分が泊まりたいホテルを思い浮かべて選びたいですね。
ANAプラチナなら「IHGゴールド+20泊の特典」
ANAプラチナの場合は、20泊分の実績が付くので、IHGゴールドエリートに加えて、20泊のマイルストーン特典を1つ選べます。
| 選べる特典 | 使い方の例 |
|---|---|
| 5,000ポイント | 次のホテル宿泊に向けて貯める |
| 飲食特典2枚 | 日本円なら計4,000円分を、宿泊中の対象飲食代に使う |
| スイートアップグレード1回 | 最大5泊の対象滞在で、事前のアップグレードを申し込む |
会員資格だけでなく、次の旅行に使える特典も選べるのが、今回の提携の面白いところです。
ANAダイヤモンドなら「38泊分+実際に2泊」で、さらに特典が増える
ANAダイヤモンドでもらえるのは、38泊分の実績です。まず20泊と30泊のマイルストーン特典が対象になり、それぞれ1つずつ選べます。
さらに登録完了後に対象宿泊を2泊して合計40泊に到達すると、IHGプラチナエリートになり、40泊の特典も2つ選べます。
例えば、次のような組み合わせです。
| 到達した実績 | 選ぶ特典の例 |
|---|---|
| 20泊 | 5,000ポイント |
| 30泊 | 5,000ポイント |
| 40泊 | 年間ラウンジ会員資格+10,000ポイント |
この例では、IHGプラチナエリートに加えて、合計20,000ポイントと年間ラウンジ会員資格を得られます。プラチナの資格そのものではなく、40泊の特典としてラウンジ会員資格を選ぶ、という関係です。
ホテルで食事を楽しむなら飲食特典、部屋での滞在を重視するならスイートアップグレードなど、旅行のスタイルに合わせて組み合わせを変えられます。
僕自身も、追加2泊でここまで選択肢が広がるなら、まずは実際に使ってみたいと感じています。
一方で、SFCの朝食無料などは終了へ
新しい特典が増える一方、これまで国内の対象ホテルで利用できたANA会員向けの特典は、一部が終了します。
| 終了する主な特典 | 対象 |
|---|---|
| 宿泊料金の割引 | ANAマイレージクラブ会員向け |
| 飲食代の割引 | ANAダイヤモンド・プラチナ・SFC会員向け |
| 朝食無料・ウェルカムドリンク | 対象のANAカード会員・SFC会員向け |
公式案内では、対象となるのは2027年2月28日までの予約、2027年10月31日までの利用です。
SFCを持っていて、これまで朝食無料の特典を使っていた方にとっては、気になる変更ですよね。
また、新制度はANAの会員資格に応じた仕組みなので、SFCを持っているだけでIHGの上級会員資格が付くものではありません。別途ANAのプレミアムステイタスを持たない場合は、一般会員の5泊分が基本になります。
これまでの朝食無料も、予約条件を確認する必要があった
僕も以前SFC向けのプランを見たことがありますが、「朝食が無料なら、どんな予約でもお得」というわけではないと感じました。
例えばANAクラウンプラザホテル福岡の公式案内では、ベストフレキシブルレートから10%割引になる専用プランを予約すると、SFC会員本人の朝食券などを利用できる仕組みになっています。
つまり、通常の予約にSFCカードを見せれば、必ず朝食が付くという扱いではありません。
早期割引やセールとは料金やキャンセル条件が異なるため、朝食を含めた総額で比較する必要があります。
今回の終了をどう受け止めるかも、これまでその特典をどれくらい使っていたかで変わりそうです。朝食特典の終了は残念ですが、新しい制度で自分が使える特典も合わせて考えたいですね。
飛行機とホテルがつながる、今後に期待したい提携
ANAを利用して得た会員資格が、ホテル選びの幅や滞在中の楽しみにつながる。今回の提携は、ANAユーザーにとって相性のよいパートナーシップだと感じています。
僕自身も、マリオットを中心に泊まりながら、旅先に合わせてIHGを組み合わせられたら、家族旅行の選択肢が広がりそうです。都市部だけでなく、山や海の観光を楽しむ旅行でも使ってみたいですね。
特にANAダイヤモンドなら、追加2泊でIHGプラチナと年間ラウンジ会員資格を狙える点は、実際に試してみたいところです。
新制度は2027年1月から順次スタート予定。特典を取るために泊まるというより、家族で行きたい旅行に、使える特典を組み合わせられたらよいですね。僕もこれからの展開を楽しみにしています。


